アメリカの代表的な高配当ETFにSPYD、VYM、HDVの3つがあります。
どれも高配当で有名なETFですが、どれを買うのがいいんでしょう?
3つのETFを比較してみました。
基本情報(年間経費率・配当利回り)
年間の経費率は、どれも0.1%を下回っており、十分に低いので大差ありません。
配当利回りは、SPYDが4.64%と最も高いです。配当利回りだけを考えると、SPYDが良いですね。
ティッカー | ETF名称 | 現在の 株価 |
経費率 | 配当 利回り |
SPYD | SPDR ポートフォリオS&P500 高配当株式ETF |
34.78 ドル |
0.07 % |
4.64 % |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | 94.64 ドル |
0.06 % |
3.03 % |
HDV | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | 89.68 ドル |
0.08 % |
3.94 % |
(数値は2021年1月17日時点)
株価の値動き
過去10年間での値動き
SPYDは2015年あたりに出来たETFですので途中からのスタートになっています。
VYMは10年間で113%UP、HDVは77%UP、SPYDは2020年のコロナショックの影響もありますが、15%UPの状況です。
株価上昇だけで考えると、VYMが最も有利です。
過去5年間での値動き
過去5年間で見ても、VYMの上昇率が最も高いです。構成されている銘柄に株価上昇の要因がありそうです。
構成セクター
不動産が入っているのはSPYDだけ!
SPYDはS&P500指数採用銘柄から高配当の銘柄を選定して構成されています。
金融・不動産・エネルギーセクターで全体の約6割を占めています。不動産セクターの銘柄が含まれているのはSPYDだけなので、保有銘柄に不動産銘柄を入れておきたい場合は、SPYD一択になります。
VYMは、全体バランスがGOOD!
VYMは全体的にバランス良く配分されている印象です。
その中でも金融・ヘルスケア・生活必需品が最も多く、約半分を占めています。いつの世の中でも、必要な業種なので、配当金に加えて株価上昇も期待できそうです。
そんな理由もあって、株価上昇が他の2つのETFに比べて高いんでしょうね。その代わり配当利回りが少し低めだったので、VYMを買う場合は、配当利回り+株価上昇という意識で保有し続ける必要がありそうです。
HDVは、エネルギーや通信が多い!
HDVはエネルギーや通信セクターが多いのが特長です。両セクター合わせて37%もあります。
エネルギーも通信も社会の基盤インフラです。無くてはならない分野ですので、安定しています。
日本でいうと、NTTとか電力会社とかに投資しているようなイメージですので、そういう企業に投資したい場合は、HDVはいいですね。
組み入れ銘柄の重複度合い
SPYD・HDVの約8割はVYMに含まれている!
SPYDは78銘柄、HDVは79銘柄、VYMは409銘柄で構成されています。
どういう銘柄をカバーしているのか調べてみたら、VYMはSPYD・HDVの構成銘柄もほぼカバーして投資されています。関係性としては以下のような感じです。
SPYDやHDVは、VYMと比べると集中投資型のETFとも考えられます。
SPYDやHDVに組み入れられている銘柄・セクターに対して、特に思い入れがある場合を除けば、VYMに投資したほうが安全ですね。
組み入れ銘柄TOP10
SPYDは日本人には馴染みがない企業が並んでる
SPYDの上位は、ほぼ日本人には馴染みの無い会社ばっかりですね。上位は金融系企業が多いので、仕方ありませんが、知らないところに投資するってのは、若干心配・・・。
順位 | ティッカー | 会社名 | 比率 |
1 | IVZ | Invesco Ltd. | 1.97 % |
2 | VIAC | ViacomCBS Inc. Class B | 1.89 % |
3 | CMA | Comerica Incorporated | 1.79 % |
4 | RF | Regions Financial Corporation | 1.73 % |
5 | FITB | Fifth Third Bancorp | 1.69 % |
6 | CFG | Citizens Financial Group Inc. | 1.65 % |
7 | SPG | Simon Property Group Inc. | 1.59 % |
8 | HBAN | Huntington Bancshares Incorporated | 1.59 % |
9 | OKE | ONEOK Inc. | 1.58 % |
10 | KEY | KeyCorp | 1.57 % |
VYMは、聞きなれた企業で安心!
VYMの上位は、聞いたことがある企業が多いです。ジョンソン&ジョンソンとかコカ・コーラとかペプシコとか。
上位10社で20%位、その他約380社で80%を分散投資している比率になります。
380社もあれば、知らない企業もたくさんあると思いますが、1社あたり平均0.2%なので、1つの企業になにかあっても影響は薄く、安心できます。
順位 | ティッカー | 会社名 | 比率 |
1 | JNJ | Johnson & Johnson | 3.73 % |
2 | JPM | JPMorgan Chase & Co. | 3.46 % |
3 | PG | Procter & Gamble Co. | 3.05 % |
4 | VZ | Verizon Communications Inc. | 2.18 % |
5 | CMCSA | Comcast Corp. Class A | 2.13 % |
6 | BAC | Bank of America Corp. | 2.10 % |
7 | KO | Coca-Cola Co. | 1.90 % |
8 | MRK | Merck & Co. Inc. | 1.85 % |
9 | PEP | PepsiCo Inc. | 1.85 % |
10 | T | AT&T Inc. | 1.84 % |
HDVは、上位10社で50%も配分!
HDVは、エネルギー・通信企業が多いです。エクソンモービルとかベライゾンとかシスコシステムとか。
あと、上位10社で50%位あるので、かなり集中的に投資している感じがします。
順位 | ティッカー | 会社名 | 比率 |
1 | XOM | Exxon Mobil Co. | 10.76 % |
2 | T | AT&T Inc. | 8.58 % |
3 | JNJ | Johnson & Johnson | 6.94 % |
4 | CVX | Chevron Co. | 6.52 % |
5 | VZ | Verizon Communications Inc. | 5.99 % |
6 | PG | Procter & Gamble Co. | 4.88 % |
7 | PFE | Pfizer Inc. | 4.61 % |
8 | CSCO | Cisco Systems Inc. | 3.83 % |
9 | MRK | Merco & Co Inc. | 3.78 % |
10 | KO | Coca-Cola Co. | 3.64 % |
まとめ)普通の人が買うならVYMを購入!
この3つは高配当ETFとまとめられますが、それぞれ特長がありました。どれを買うか悩むところではありますが、わたしなど普通のサラリーマンが買うなら、VYMがオススメかなと思います。
理由は「配当金が3%!」「株価上昇が狙える!」「400社で分散投資!」と3拍子そろっているので、安心して長期保有できそうだからです。
SPYD・HDVは、いくら配当金多くもらえても、株価下落も懸念されるので、含み損状態になったら、かなりつらそうです。
あと、組み入れ会社数が80社位で、ETFにすれば少ないような気がします。ETFは安全に投資したいので、VYVのように400社位で分散してくれたほうが安心です。